最近ゼミではジョイスのダブリナーズを読んでいる。そしてその中の一編「土くれ」を読み、初めて「意識の流れ」を体感した。この「土くれ」という話は全部マライアという主人公の語りのみで、ほかの登場人物もマライアの中でしか登場しない。そして出てくるセリフもほとんどマライアによって説明されている。なかにはセリフとして他人の口から出てくるものもあるのだが、それはマライアが褒められている内容のセリフの時である。四つほど他人のセリフとして描かれているが全てマライアが褒められている時である。これこそ「意識の流れ」というものなんだなと体感できた夜だった。